リウマチ膠原病内科
診療の特徴・特色
関節リウマチや膠原病は、関節や肺、腎臓などの臓器の障害を起こさないためにも、可能な限りの早期な診断と適切な治療が必要です。
診断や評価のために、自己抗体などの血液検査、関節エコー検査、CT検査、MRI検査などを行います。
天の川病院では、リウマチ専門医によって適切な診断、治療を行うとともに、皮膚科や整形外科などと連携し全身の管理をいたします。
また、関節リウマチや膠原病の病気のみならず、病気や薬などによる合併症の管理、治療も行い、外来、入院共に迅速に対応できる体制がございます。
全ての年齢の患者さんが自分らしい社会生活や活動を送れるように、患者さんと一緒に考え、治療をしています。
このような症状ございませんか?
関節痛、筋肉痛、原因不明の発熱、皮疹などが出てきた場合、リウマチや膠原病の可能性があります。
リウマチや膠原病は、血液検査のみでは診断ができないことが多く、一度専門医の診察を受けることをおすすめいたします。また、息切れ、足のむくみ、しびれなども膠原病などと関連がある場合もありますので、気になることがあれば、一度ご相談ください。
診療内容
関節リウマチ
関節リウマチとは?
関節リウマチは、関節の腫れや痛み、朝のこわばりで発症し、適切な治療をしないと関節の変形を来す病気です。
痛みや腫れる関節は、手や手指、足の指などによくみられますが、膝、肘、肩、首などの関節にも痛みや腫れが出てくることがあります。
関節の症状以外に、微熱や倦怠感、咳や息切れなどの症状がでることもあります。
関節を守るために、できるだけ早期に診断し、適切な治療を行うことが必要です。
どのように診断するのでしょうか?
関節リウマチの診断は、患者さま自身の症状、持続期間、血液検査、診察所見などを組み合わせて診断します。
血液検査には、免疫学的検査である抗環状シトルリン化ペプチド抗体(抗CCP抗体、ACPA)やリウマトイド因子(RF)や、炎症マーカーであるCRP、赤沈、MMP-3などがあります。
診察所見は、実際に関節を触り、腫れているか、痛みがあるかどうかをみます。
血液検査は、非常に有用な検査方法ですが、全ての患者さまで異常値を認めるわけではありません。
そのため、関節レントゲン、関節エコー検査、関節MRI検査などをあわせて行うことが診断や病気の強さをみるためには有用です。
特に関節エコー検査は、レントゲンや診察で異常が見つからない場合においても、早期に異常を発見できることがあり、診断の補助、現在の活動性の評価として非常に有用な検査です。
天の川病院では患者さまの診察時、必要な時にすぐにエコーで評価できるように取り組んでいます。
どのような治療薬があるのでしょうか?
近年、疾患修飾性抗リウマチ薬と生物学的製剤、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤の登場により、関節リウマチの治療は大きく変わってきています。
それらの治療薬を適切に使うことで関節の変形や破壊をとめることが可能となってきました。
関節リウマチ治療の基本は、疾患修飾性抗リウマチ薬です。
特にメトトレキサート(MTX/リウマトレックス®、メトトレキサート®)は、関節リウマチ患者さまの第一選択薬となります。
そのため、適応のある患者さまはこのMTXを中心に治療を行います。
一方で、高齢者、腎機能が低下している患者さま、間質性肺炎を合併している患者さま、妊娠中や授乳中の患者さまなどに対してはMTXを積極的に使用することが困難です。
そういった患者さまには、症状や合併症の有無を評価して、他の抗リウマチ薬(アザルフィジン、ケアラム、プログラフなど)を使用します。
また、MTXや他の抗リウマチ薬を2、3種類組み合わせて使用する場合もあります。
抗リウマチ薬を十分に使っても症状が改善しない場合、生物学的製剤やJAK阻害剤による治療を検討します。
生物学的製剤は、炎症を引き起こす原因物質であるサイトカイン(TNFαやIL-6)などを阻害することで、関節の症状を抑え、関節破壊の進行を止めることができます。
天の川病院では、インフリキシマブ(レミケード®)、エタネルセプト(エンブレル®)、アダリムマブ(ヒュミラ®)、トシリズマブ(アクテムラ®)、アバタセプト(オレンシア®)、ゴリムマブ(シンポニー®)、セルトリズマブ(シムジア®)、サリムマブ(ケブザラ®))などの薬剤が使用できます。
これらの薬剤は、抗リウマチ薬と比較し、より早期に関節の症状が改善するといわれています。
JAK阻害剤も抗リウマチ薬で効果が得られない患者さまに検討される薬剤です。
生物学的製剤と同等の効果があるとされています。
現在は5種類(トファシチニブ(ゼルヤンツ®)、バリシチニブ(オルミエント®)、ペフィシチニブ(スマイラフ®)、ウパダシチニブ(リンヴォック®)、フィルゴチニブ(ジセレカ®)の薬剤があります。
天の川病院では、リウマチ専門医が個々の患者さまの状態に合わせた治療方法を提案しています。
乾癬性関節炎
乾癬性関節炎は、乾癬という全身の皮膚に紅斑が多発する皮膚の炎症性疾患に関節炎が合併する病気です。
乾癬性関節炎に対して、近年様々な機序の生物学的製剤が出てきております。
患者さまの状態に合わせて治療を提供します。
また、乾癬は多くの併存症(メタボリック症候群、糖尿病、心血管系障害など)があり、それらのマネージメントも必要です。
天の川病院では、皮膚科やリウマチ膠原病内科が連携し治療を行っていきます。
全身性エリテマトーデス
全身性エリテマトーデスは皮膚症状、関節症状、発熱、全身倦怠感などの症状を来します。
腎臓や腸など全身の合併症を来しうる疾患です。
ステロイドに加えて、プラケニル®、プログラフ®、セルセプト®、イムラン®、エンドキサン®などの内服薬やベンリスタ®、サフネロー®などの点滴、皮下注射製剤を用いて治療を行います。
その他の膠原病、自己炎症性疾患
全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、皮膚筋炎、血管炎症候群(高安動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、多発血管炎性肉芽腫症、巨細胞性動脈炎など)、全身性強皮症、混合性結合組織病、シェーグレン症候群、抗リン脂質抗体症候群、成人発症スチル病、ベーチェット病、再発性多発軟骨炎、強直性脊椎炎、IgG4関連疾患、若年性特発性関節炎、肺高血圧症、間質性肺炎、家族性地中海熱などが対象疾患です。
当科で行える検査、治療
血液検査(抗体検査、HLA検査、遺伝子検査を含む)、関節エコー検査、MRI検査、CT検査、関節穿刺、腎生検、皮膚生検、などを用いて、関節リウマチや膠原病の診断、鑑別を行います。
また、治療に関しては、ステロイド、抗リウマチ薬、免疫抑制剤に加えて、生物学的製剤など最新の治療を患者さまそれぞれに合わせて提供します。
診療時間
- 午前
- 9:00〜12:00
- 午後
- 13:00〜15:30
担当表
月 | 火 | 水 | |
---|---|---|---|
午前 | 吉田 | — | 吉田 |
午後 | 山際 | 吉田 | 吉田 |
木 | 金 | 土 | |
---|---|---|---|
午前 | 山際 | 石田 | 吉田※ |
午後 | 山際 | 石田 | — |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
---|---|---|---|---|---|---|
午前 | 吉田 | — | 吉田 | 山際 | 石田 | 吉田※ |
午後 | 山際 | 吉田 | 吉田 | 山際 | 石田 | — |
学会や研修会のため不在にする場合がありますので、ご予約をおすすめいたします。
土曜日は不定期での診察、完全予約制ですので、必ず予約をお願いいたします。
ご予約・予約変更は平日15〜17時にお電話で受付けています。
担当医
-
副院長 リウマチ膠原病センター長 リウマチ膠原病内科部長
リウマチ膠原病内科吉田 周造
資格
- 医学博士
- 日本内科学会総合内科専門医
- 日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員
- 日本アフェレシス学会専門医・評議員
- インフェクションコントロールドクター
-
リウマチ膠原病センター副センター長 リウマチ膠原病内科副部長
リウマチ膠原病内科副部長
リウマチ膠原病内科石田 貴昭
資格
- 医学博士
- 日本内科学会 認定内科医・総合内科 専門医
- 日本リウマチ学会 専門医・指導医
- インフェクションコントロールドクター
- 臨床研修指導医
-
リウマチ膠原病内科 リウマチ膠原病内科医長
山際 元
資格
- 日本内科学会 認定内科医
- 日本リウマチ学会 専門医
- 日本腎臓学会 専門医
地域の医療機関さまへ
関節リウマチや膠原病の診断、合併症評価、治療まですべてを行います。また、治療の経過中に認められた合併症や併存症に対する外来、入院での加療も対応しています。
治療が終われば、かかりつけの医院、クリニックさまに逆紹介を行っています。
肺病変や腎病変などを合併されている患者さまや、かかりつけの医院、クリニックにご紹介頂き、併診させていただいております。
緊急の診察や入院加療が必要な場合、診療時間内であればできるだけ当日、かつ、迅速に対応できるよう心がけております。
時間外でも医師が在院している場合には対応できますので、まずはご連絡いただけますと幸いです。